我孫子 サイエンスカフェ
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第19回 我孫子サイエンスカフェ テーマ

「光の話」−粒子か波か、はたまた量子か− 2015年1月25日(日)



講師: 細谷 暁夫

東京工業大学名誉教授




 2015年は「国際光年(international year of light)」だそうです。

http://iyl2015-japan.org/about

 17世紀に、イギリスのニュートンは光を粒子と考えて光の反射と屈折の    

法則を説明しましたが、ヨーロッパ大陸ではホイヘンスが波動説を唱えて    

対立しました。

 その後、皮肉なことにイギリスのヤングの干渉実験で波動説に軍配があが

り、マクスウェルの電磁気学により光の波動性が確立したかに思われました。

 しかしながら、20世紀に入り、ドイツのプランクとアインシュタインによる    

光量子仮説により粒子説が復活し、光は粒子でもあり波でもあるという謎    

に直面しました。それをどう考えればよいのか、朝永振一郎の作品「光子    

の裁判」と浜松ホトニクスの作成したビデオを題材にお話しします。

 この問題は21世紀の今でも完全には理解されていません。



なお、今回は一人一人の参加者に偏光板を使った簡単な実験をして頂きます。
細谷暁夫





ニュートン ホイヘンス アインシュタイン 朝永振一郎
   ニュートン    ホイヘンス    アインシュタイン    朝永振一郎
干渉縞
   干渉縞





カフェの雰囲気で科学を語り合いましょう。

コーヒーを片手に「光」をもっと楽しく知り、

その謎に迫ってみませんか。

質問・議論 大歓迎!

あなたの参加をお待ちしています。
細谷先生
 
 





カフェコラム: 量子の衝撃!――「光の話」の今

講師: 尾関 章

科学ジャーナリスト


 細谷さんの光をめぐる話は20世紀終盤、量子情報科学につながった。    

ハイテクが電子や光子を一つずつ操ることを可能にして量子力学の「常識

はずれ」な本質を裏づけ、それが量子コンピューターや量子暗号などの開

発にも道をひらいたのである。私は欧州駐在の科学記者だった1990年代

半ば、この新しい科学の台頭を間近に見た。そのこぼれ話を。
尾関章
 
 




                  
国際光年 国内イベント: iyl2015-japan
 
 
我孫子サイエンスカフェの紹介: IAU
 
 
カフェの光景(動画)
 
 
コーヒーブレーク





第19回テーマ 「光の話」−粒子か波か、はたまた量子か−
日時 2015年1月25日(日)午後1時30分より4時30分まで
会場 我孫子市 天王台北近隣センター 我孫子市柴崎台2−15−8
参加資格 原則として要申込。(どなたでも。小中高生、大学生、一般)
会費 小中高生500円、大学生、一般 800円 資料、コーヒー・お茶、お菓子付
申し込み 参加申し込み(左のボタンをクリック)
主宰 我孫子市東我孫子1−8−33 事務局:栗田 守敏 
   



<参考文献>

 演劇「光子の裁判」 : 青年団若手自主企画

 朝永振一郎 : 国立科学博物館

 朝永振一郎「鏡の中の物理学」を読む : 名著を読む



 人類をはじめ、ほとんどの生物に無くてはならない「光」。その「光」の世界は謎に満ちています。

光子とは、色とは、透明と不透明とは、そして波なら揺れるのは何?

 1600年代後半に光と色を研究し、「光は粒子」と考えたニュートン。

他方、光と別の光を衝突させてもそれぞれの進路が粒子のようには変わらないことから、「光は波」

と唱えたホイヘンス。

 1800年代初めに、光源とスクリーンの間に2本の細い隙間を作ったついたてを置くと干渉じまが

うつることをヤングが見つけ出し、これは波の性質と一致することから「光は波」と示しました。

 さらに1868年にマクスウェルも電磁気の研究から電磁波の存在を理論的に予言し、その速度が光の

30万Km/秒と同じであることから光は電磁波の一種、つまり「光は波」と考えました。



 一方、1800年代後半ドイツ北部では「鉄は国家なり」と、高品質な鋼鉄の生産を推し進め、溶鉱炉

内の鉄の光色で温度を推定する方法を、「人の目と経験と勘」から「分光器による測定」へと移行しまし

た。依然として、なぜ温度によって分光スペクトルが観測されたような形になり、変化するのかは未解明

のままでしたが、プランクがその謎を解き、光のエネルギーについて1900年に量子力学の始まりとな

る新しい考えを発表しました。

 そして、更に研究を進めたアインシュタインは、光のエネルギーがとびとびの値を持つのは、光が単位

となるエネルギーを持つ粒子でできているからと考え、この粒子を「光量子」と名付けました。

「光は波なのか、粒子なのか」、一旦は「波」で落ちついていたのですが、再び論争となったのです。



 後年、アインシュタインはこの光量子仮説でノーベル賞を授賞しています。また、小さな世界を理解可能

にする量子の理論も大きく進展し、「青色ダイオード」など半導体の基盤理論にもつながっています。

 ひとつ進むと、また次に現れる「光の謎」。その不思議さを楽しみ、光の正体に迫るお話になること

でしょう。

尾関さんのカフェコラム「量子の衝撃!」や、偏光板を使う実験とともにご期待ください。



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