講師: 篠田 謙一 独立行政法人 国立科学博物館長 現在では、DNA の情報に基づいた人類の起源や拡散 についての研究が世界の各地で行われ、地域集団の 成立に関する新たなシナリオが提示されるようになっ ています。特に2022 年のノーベル 医学生理学賞に 決まった古代ゲノム解析の技術は、従来の化石の研 究とは全く異なる手法で、人類の起源と拡散、ある いは地域集団同士の近縁関係などを明らかにしつつ あります。 化石やゲノムの証拠から、我々現生人類(ホモ・ サピエンス)は20〜30万年前にアフリカで誕生し、 6万年ほど前に世界拡散を開始したと考えられていま す。現生人類の出アフリカはそれ以前にも複数回行 われた証拠がありますが,現代人ゲノムの研究から、 世界中の人びとは基本的にはこの時期にアフリカを 旅立った集団の子孫であることが明らかになってい ます。また化石人類のゲノム解析からは、拡散の過 程で旧大陸に居住していたネアンデルタール人やデ ニソワ人(ロシアのデニソワ洞窟から発見された人 類)などと交雑し,彼らのゲノムを受け継いだことも 分かっており、従来の学説を書き替えつつあります。 今回の講座では、化石証拠と古代ゲノム解析によっ て明らかになった人類の誕生の経緯と世界展開につ いて解説します。 |
ネアンデルタール人とデニソワ人、ホモ・サピエンス人の交雑 |
参考資料:人類の起源 中公新書 2022年
喫茶店の雰囲気で科学を語り合いましょう。 コーヒーを片手に「サイエンス」をもっと楽しく知り、 自然の謎としくみに思いを巡らせてみませんか。 質問・議論 大歓迎! あなたの参加をお待ちしています。 |
これまでの光景 |
サイエンスカフェの光景(第2回 月の起源:動画) |
サイエンスカフェの光景(第13回 素粒子で探る宇宙の謎:動画) | |
オンラインでは飲料を提供できませんが、サイエンスカフェ(*)の精神は引き継いでゆきたいと考えております。
ご自身で用意したコーヒーやお茶をのみながら、ぜひ科学談議をお楽しみください。
「軽くワイン」や「ちょっとしたツマミ」もよろしいかと存じます。
(*)サイエンスカフェとは:
喫茶店内の会話のように平等で自由な雰囲気で科学的なテーマについて語り合い、気軽に楽しむことを目指したイベント。
講演会のように研究者や専門家からのほぼ一方的な情報発信ではなく、双方向であるのが特徴です。
参考:サイエンスカフェ:ウィキペディア
我孫子サイエンスカフェ − 自己紹介、はじまり、特長、カフェプラスを志して:会長 細谷暁夫
これまでのテーマ
当カフェの動画
講師紹介
H3ロケット:JAXA
データからわかる−新型コロナウイルス感染症情報−新規陽性者数の推移など:厚生労働省
千葉県の感染状況等と現在のレベル: 千葉県
新たなレベル分類の考え方による「レベル移行の指標」と「各レベルの要請内容」: 千葉県
茨城版コロナNextの対策Stageなど : 茨城県
直近1週間の人口10万人あたりの感染者数など:NHK
新型コロナウイルス 検査の陽性率と検査人数推移:東京都
人口あたりの新型コロナウイルス感染者数の推移【世界・国別】:札幌医科大学
新型コロナウイルス 治療薬・ワクチンの開発動向まとめ:AnswersNews
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