講師: 大西 浩次 長野工業高等専門学校教授 天文学者 七夕の夜は、夫婦であった牽牛と織姫が年に一度、デートが出来る日です。私達の 科学の世界では、以前は、プロの科学者という制度がなく、科学に興味のある市民が 科学研究をしていました。19世紀末から20世紀初頭にかけて、大学と科学、産業と 工学が結びつき、プロの科学者(職業科学者)が誕生することによって、職業科学者と 市民科学者の分離が進んで行ったのです。最近、科学技術の発展とともに「市民科学」 という職業科学者と市民科学者との出会いの場、協働研究が注目されています。 七夕にちなんで、そんな職業科学者と市民科学者の出会いと将来について考えてみた いと思います。 ここで、「市民科学」=”Citizen Science”という言葉は、1990年代のイギリスと アメリカから始まった職業科学者の企画による市民参加型の学術研究活動を指しま すが、2010年代に入り、ITやオープンサイエンス、オープンデータの流れの中で、 新しいスタイルの「市民科学」の模索が始まっています。 「長野県は宇宙県」では、COVID19の時期に「市民科学」的手法による長野県の 天文文化の調査研究に力を入れてきました。特に、その調査の対象の一つが100年の 歴史をもつ日本で最も古い市民天文同好会の一つである「諏訪天文同好会」です。 その同好会の活動の変遷や、京都大学花山天文台や東京大学東京天文台(現在の国立天 文台)との研究交流などを「市民科学」の文脈で読み解くことで、新しい「市民科学」 のモデルを提示したいと考えてます。これらの成果の一部は、2022年度の「市民科学 プロジェクト」の研究会(*1)や信州天文文化100年の展示企画(*2)と成っています。 今回の話では、七夕のお話からスタートし、文化としての天文学がどのようなものか を考えてみます。そうして、1990年代に生まれた「市民科学 ”Citizen Science”」の 内容と、1960年代から80年代に掛けて盛んであった(日本の)「市民科学=市民運動」 との違いを強調し、次に、「市民科学 ”Citizen Science”」の源流へのお話をしましょう。 そうして、「諏訪天文同好会」の100年を中心とした市民科学者の活動を「市民科学」 として読み解く事によって、将来の 「市民科学」の可能性を考えてみましょう。 |
(*1):「市民科学」プロジェクト:「長野県は宇宙県」の天文史100年と市民科学
(*2):信州天文文化100年
天文文化100年 |
喫茶店の雰囲気で科学を語り合いましょう。 コーヒーを片手に「宇宙」をもっと楽しく知り、 銀河のかなたに思いを馳せてみませんか。 質問・議論 大歓迎! あなたの参加をお待ちしています。 |
大西 浩次先生の天体写真と連載 |
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天体写真ギャラリー 大西 浩次先生の作品:アストロアーツ | |
「連載 ガリレオ博士の天体観測図鑑」--ギリシャ神話からのスタート--:毎日小学生新聞 | |
我孫子カフェの光景 |
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サイエンスカフェの光景(第2回 月の起源:動画) | |
サイエンスカフェの光景(第13回 素粒子で探る宇宙の謎:動画) | |
オンラインでは飲料を提供できませんが、サイエンスカフェ(*)の精神は引き継いでゆきたいと考えております。
ご自身で用意したコーヒーやお茶をのみながら、ぜひ科学談議をお楽しみください。
「軽くワイン」や「ちょっとしたツマミ」もよろしいかと存じます。
(*)サイエンスカフェとは:
喫茶店内の会話のように平等で自由な雰囲気で科学的なテーマについて語り合い、気軽に楽しむことを目指したイベント。
講演会のように研究者や専門家からのほぼ一方的な情報発信ではなく、双方向であるのが特徴です。
参考:サイエンスカフェ:ウィキペディア
我孫子サイエンスカフェ − 自己紹介、はじまり、特長、カフェプラスを志して:会長 細谷暁夫
これまでのテーマ
当カフェの動画
講師紹介
探査車「パーシビアランス」火星の川の痕跡を発見か:NASA
重力波望遠鏡「KAGRA」3年ぶりに観測再開 国際共同、実るか感度向上策:サイエンスポータル
新型コロナの感染状況:NHK
千葉県の感染状況等と現在のレベル: 千葉県
茨城版コロナNextの対策Stageなど : 茨城県
データからわかる−新型コロナウイルス感染症情報−新規陽性者数の推移など:厚生労働省
人口あたりの新型コロナウイルス感染者数の推移【世界・国別】:札幌医科大学
新型コロナウイルス 治療薬・ワクチンの開発動向まとめ:AnswersNews
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